不安解消!カスタムカー乗りが知るべき3つのコト

カスタムカーを取り巻く状況は年々良くなっていると感じます。というのも、当時の状況をご存知の方は多いと思いますが数十年前のわが国においては「カスタムカー≒不法改造車」といった風潮すらありましたが、年々車検の基準が緩和されて基準さえ満たせばカスタムカーも堂々と公道を走ることが出来るようになりました。

カスタムの華エンジンについて

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エンジンは基本的にカスタムに応じた手続きをきちんと行って排ガスや騒音等の規制をクリアしていれば全く問題ないといえます。
たとえば、ベース車両のエンジンをより出力が大きい別形式の大排気量エンジンに乗せ変えた場合は、その出力に他の部品が耐えうるかやエンジンの変更による車両重量の変化などといった要素をすべて計算した上で車検基準に適合しうることを証明する手続きが必要となります。
しかしながらエンジン以外の要素を全く考えないと仮定すると、500馬力や1000馬力といった明らかに公道を走行するには過剰な馬力を発生するような状態のエンジンであっても排気ガスに含まれるCO(一酸化炭素)、HC(炭化水素)等の有害物質の量が基準値以下で、騒音やその他の各項目も基準を満たし、エンジンの乗せ変えや排気量の変更等の陸運局への申請が必要なカスタマイズの場合はそれらをきちんと申請していれば車検を通過することが出来ます。もちろん車種や年式によって車検の合否基準が異なる場合がありますし、オイル、冷却水、燃料漏れ等の整備不良がないことが大前提です。また、オリジナルのエンジンよりも明らかに環境に悪い状態であれば通過が困難になる場合があるということはいうまでもありません。

手軽なようで意外と手ごわい灯火系

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灯火系のカスタマイズは大幅なイメージチェンジが出来ることと手軽さが相まって大変人気な分野です。しかし手軽であるがために落とし穴が多いことも事実です。たとえば照度が大きく向上し精悍なイメージとなる白色のハロゲンバルブやHIDライトの取り付けは大変人気ですが、車検の検査官によっては青色と判断されて不合格になる場合が散見されます。「車検対応」の商品を購入されることをお勧めします。
また、車両床下やグリル内にLEDを装着するカスタマイズにおいては対応する灯火の基準(照度、色、位置など)を満たしている必要があります。例えば、一般車両において前面に走行中に発光可能な赤色の灯火を装着すると完全に違反となります。
灯火は年式によって基準が大きく変わることもあります。一例では1968年に発売され現在でも根強い人気を誇るKPCG10型スカイラインの場合、リアウインカーとテールランプは同じ赤色です。しかし、現在ではウインカーは橙色と定められていますので当時の基準で車検を行う車両の場合を除き、赤いウインカーは違法となります。
灯火系のカスタマイズは、灯火の色や位置、リフレクターなど意外に細かい基準が多いため、ご自身で施工される際には管轄の陸運局、ショップやディーラーの自動車検査員などの専門家に基準に適合するかどうかを確認されることを強くお勧めします。

カスタム前に不安を感じたらまず専門家に相談を

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一例としてエンジンと灯火について簡単にまとめました。しかし、これらは一般的な事柄をまとめたものであり、例外が存在することも事実です。
冒頭にも述べましたが、数十年前とは異なり今日のカスタムカー業界の盛況はこれまで自動車業界でたびたび行われてきた規制緩和のための運動の成果でもあります。しかしながらカスタムカーの情報誌などを見ていると、大変見事なものの残念ながら一見して車検を通過しないとわかるカスタムカーも存在します。「公道を安全に走行し、走行することによって他に著しい害を与えない」という大変重要な基準を満たさない車両が公道を走行することによってカスタムカー業界に対するネガティブイメージを植えつけることになりかねません。それらの行為はこれまで行われてきた規制緩和の成果を無駄にしかねない行為であるとともに厳しく戒めるべきものです。
希望するカスタマイズが適法か否かという相談は陸運局やショップに在籍する自動車検査員に相談することが一番確実です。愛車に「不正改造車」という不名誉極まりない烙印を押されないためにも事前の入念なリサーチが不可欠です。

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