走りに影響?車高を高く&低くすると起こること

「自分だけの一台がほしい」という思いは自動車をお持ちの方なら一度は考えることだと思います。カスタムカーの世界では車高は車の素性を語る大事な要素です。
車高のカスタムが車にどのような影響を与えるのか簡単にまとめてみました。

車高カスタムの大定番。車高を低くすると…


まずは定番である車高を低くするカスタムから考えていこうと思います。一般的に車高を低くすると「重心が低くなるためコーナーなどでの安定性が向上する」「コーナーでロールしにくくなる」「空力特性が向上する」「ロー&ワイドなスタイルが象徴的なレーシングカーやハイパフォーマンスカーのルックスに近づくためルックスが向上する」「タイヤとフェンダーの隙間が少なくなる、あるいは全くなくなる為ドレスアップ効果がある」といった効果が期待できます。
一方で「乗り心地が悪化する」「車体下部を損傷する可能性がある」「行き過ぎた改造で保安基準を満たさなくなる可能性がある」といったリスクをはらんでいる事を忘れてはいけません。特に車高を低くし、100%あったサスペンションのストロークが70%になったとするとカスタム前に存在した30%のストロークで吸収されていた振動が車体に直接伝わることになり、乗り心地の悪化のみならず車の設計時に意図していなかった振動が車体に加わることによる機械的なリスクも考慮しなくてはなりません。
これらはカスタムの手法や交換するサスペンションの良し悪しのみならず実際に車両に施工するショップの「ウデ」や「経験」がモノを言う分野であるといえます。

車高を上げた場合のメリットとデメリット


車高を上げると前述の車高を下げるカスタムのメリット、デメリットを逆転させたものとなります。
即ちサスペンションのストローク量が大きく取れるので乗り心地が向上し、路面からのスペースが増えるので走破性が向上する、SUVやピックアップトラックのようなリフトアップが似合う車なら兎も角、少し好みが分かれるルックスになってしまう、といった具合でしょうか。
とはいえ、車高を上げるカスタムも全く行われていないわけではありません。車高を上げることで未舗装路や荒地、積雪地などでの走破性は大きく上がりますし、ルックスがワイルドで力強いフォルムに生まれ変わります。とくに軽自動車や小型車でもリフトアップすると持ち前の軽さから走破性が大きく上がるとともに頼もしいイメージになります。
全高やタイヤの直径の変更に伴う手続きが必要なリフトアップ等のカスタムは施工するショップが限られてくる一方で、自動車メーカーでは個性的な車作りのために積極的に用いられる手法でもあります。市井のショップが全く出来ないというわけではないのですがむしろ自動車メーカーだからこそ積極的に出来るカスタムであると言えるでしょう。

車高のカスタムはショップ選びがキモ


カスタムカーと車高はきっても切れない関係にあると思います。なぜなら、車高は車の印象を左右するとても大事な要素であり、ノーマルと車高が異なる車は「何かを得るために何かを捨てた」ことを物語っているからです。これはルックス的な意味ばかりではなく、自動車の三要素である「走る」「曲がる」「止まる」に大きくかかわってくる足周りという部位に手を加えるということ意味します。走行性能の向上ではなく、単にスタイルを良くしたいという動機であってもエアロパーツやオーディオといった部品とは全くの別物と考えて、信頼できるショップでの施工が大変重要であるといえます。即ち、ショップ選びは命を預けるパートナー選びともいえますので、車高を変更する上でのメリットやデメリットを明確に説明してもらえる知識や経験が豊富なスタッフが在籍し、カスタムしたい車の実績のあるショップを選択しなくてはなりません。
しかしながら、車高の変更ほど車の印象を大きく変える魅力的なカスタムはそう多くはありません。
車高の変化による特性の違いをよく考慮した上で充実したカーライフをお送りください。

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