話題のVIPベース車『フーガ』の魅力
カスタムカーの中でも、高級セダンを改造したものとしてVIPカーがあります。VIPベース車となるセダンはやや古めなのですが、そんな中、2004年から発売されて比較的新しく、かつ高級感を前面に出したニッサンのフーガが、非常に注目されています。ここでは、そのフーガの特徴を説明します。
ニッサンのVIPカースピリットを受け継ぐ戦士、フーガ
フーガは2004年からニッサンで販売されている高級セダンです。これまでのニッサンの高級セダンは、シーマ、セドリック、グロリアの3台をメインにして、40年以上も活躍してきました。フーガはそれらの後継者の位置づけですが、ただの後継者ではなく、イメージを一新しようというニッサンの思いが表れています。
フーガというと、名前が独特だと思った方も多いのではないでしょうか。日本で有名な楽曲に、「恋のフーガ」がありますね。その音楽用語の「フーガ(遁走曲、後から同じメロディーを追って歌うもの)」、ならびに日本語の「風雅」が、フーガという名前の由来です。派手に見せず、ドライバーとインテリアの調和を保ち、かつ上品で優雅なイメージを出すのが、フーガの狙いです。
かつての高級セダンの、シーマ、セドリック、グロリアは、和風のネーミングではありません。しかし、外装と内装に高級感が出ており、ドライバー独自の装飾を施すことで、VIPカーとして不動の人気を築きました。その高級セダンとドライバーの間で取り巻く動きを、ニッサンは逃さず、日本人らしいネーミングを考えたのでしょう。ニッサンのVIPカースピリットが受け継がれたこのフーガが、まさにドライバーの心を鷲掴みにしているのです。
フーガは、市販の時点でほとんどVIPカー?
フーガは2004年から09年のY50型、そして2009年以降のY51型と続いています。そして、そのどれもが、あたかもVIPカー愛好家のことを考えて設計されたかのようなデザインを施しています。
外装の特徴は、Y50型とY51型で異なります。Y50型のフロントのデザインは、中央部に向かって低くなるL字型をしている点です。VIPカーに必須のエアロパーツと組み合わせると、荘厳な顔つきになります。一方、Y51型は、ボンネットが非常に長くなっています。さらに、全体的にY50型より車高が低くなっています。VIPカーようにカスタムを施し、さらに車高を低くすれば、流線型のボディがより際立ち、ダイナミックに変化します。
内装の大きな特徴は、ホイールの太さにより実現した、スペースの広さです。シート部の広さは、前後共に、メルセデス・ベンツシリーズ、トヨタ・セルシオを凌ぎます。さらに、シートの素材はブラック本革で、ドア部およびオーディオ部は木目調のシートが貼られています。従来のVIPカーは、後付けで木目調のシートを貼ることもあったのですが、フーガは市販の状態で貼られており、ファミリーカーにない特別な空間が仕上がっています。最近のVIPカードライバーは、派手さより、堅実な内装を好む傾向がありますが、フーガならば、内装にほとんどお金をかけずに、VIPカーとして十分に乗り回すことができるのです。
フーガは、こうしてVIPカーにカスタマイズする!
市販の状態で、VIPカーのベースが整っているフーガですが、VIPカーはカスタムカーであり、ドライバー独自にカスタムがされます。フーガを、より洗練されたVIPカーとしてカスタマイズするために、大事なポイントを挙げます。
まず外装から。最初は、車高を下げることです。純正のスプリングを、ダウンサスに交換したり、コストが高いですが、純正のサスペンションを交換したりして、車高を地上ギリギリまで下げます。次に、アルミホイールへの交換です。VIPカーは、ホイールのデザインが、見た目でも非常に重要です。フーガに適合するものをよく考えましょう。そして、前後のエアロパーツを装着します。オリジナリティを強くしたいならば、フルバンパーを選ぶのがいいでしょう。逆に、フーガらしさを崩したくないならば、ハーフタイプにとどめるのがいいでしょう。あとは、フーガ純正のマフラーに飽きたら、他メーカーのマフラーを装着しましょう。
内装は、市販のフーガで、十分VIPカーらしさが出されているので、あとはドライバーの好みです。装飾を施すのであれば、運転席やドア部にとどめ、あまり派手にしないのがいいでしょう。パネルのカスタムを、あえて木目調からシルバーに変えるドライバーもいます。
フーガをVIPカーとしてカスタマイズするために大切なことは、あくまでフーガらしさ、「調和」「優雅」「風雅」を崩さないようにすることです。